SoloCastでノイズが気になっている方へ
SoloCast は、HyperXシリーズのマイクの中で一番安価なのに、上位のマイクにも負けないくらいに音質がいいことが長所です。
ですが、音をよく拾う…というか、ノイズも含めて音を拾いすぎるといった評価を目にしたことはありませんか?
あるいは、SoloCastを実際に使ってみて気になったという方もいらっしゃるでしょうか。
マイクが拾ってしまうノイズの代表的なものといえば、キーボードの打鍵音などの振動からくるノイズや、パ行・ハ行などの発声時の吹かれ(ポップノイズ)などがあります。
SoloCastがそうしたノイズを拾いやすい理由は、シンプルな設計なのでマイクの集音部が保護されていないことにあります。
SoloCastには、打鍵音など振動からマイクを保護するショックマウントが付属せず、ポップノイズからマイクを保護するポップガードやウインドスクリーンもついていません。
その一方で、音を拾う部分についてはけっこう良い機械が使われています。
だからこそ、安価でも高音質が両立するマイクなのですが、集音能力が高いから色々なノイズも拾いやすいという面もあります。
そうしたノイズの対策としては、
・振動からマイクを保護するにはショックマウントを購入すること
・ポップノイズからマイクを保護するには、ポップガードもしくはウインドスクリーンを使うこと
などがあげられます。
今回は特にポップノイズ対策として、ポップガードとウインドスクリーンを使用してその効果を検証してみました。
使用効果を録音した音声サンプルもつけましたから、参考にしていただければと思います。
SoloCastをより良い音質で使いたい方は、ぜひ最後までお読みください!
SoloCast、ちょっと分解してみた
SoloCastで吹かれなどのポップノイズが発生しやすい理由を詳しく説明するために、まず最初にSoloCastの構造の説明をしてみたいと思います。
そのために、私が所有しているSoloCastを…分解してみました!
※分解は自己責任で行っております。
まずは、スタンドからマイクを外します。
SoloCastはマイクスタンドにガッチリ固定されているわけではないので、マイクスタンドのリングの部分から上に引き抜くだけでマイクが外せます。
マイクを外すと、背面に4つのネジ穴があります。
この奥に細いネジで固定されているので、このネジを外します。
ネジ穴が小さいので、100均で買ってきたドライバーセットで先端が細いものを使いました。
ネジを外してプラスチック部分を外すと、基盤が見えてきます。
基盤部分も、四隅がネジで固定されています。
基盤を固定しているネジを外すと、マイクのグリル(マイク先端の金属の網目部分)も外れるようになっています。
外した形が次の写真です↓(赤マル部分で囲んであるのが集音部分)
グリルを通り抜けた息が集音部に強く当たったときに、ボフッとかバフッといった感じのノイズが出たときのことを、ポップノイズと言います。
そしてSoloCastは集音部を保護するものがグリルしかなく、形も小型でコンパクトなので、息が当たりやすい構造だと言えます。
ポップノイズ対策を試してみた!
SoloCastの構造がわかっていただけたと思いますので、続いては集音部へのノイズ発声を防ぐ方法にどんなものがあるかをご紹介していきます。
対策には、
①ポップガードをマイクの前面に取り付ける
②ウインドスクリーン(ポップフィルター)をグリルにかぶせる
③ウインドスクリーン(ポップフィルター)をグリル内部に取り付ける
といった方法があります。
これらの対策をしていない場合の音声サンプルがこちら。
対策をしていない場合でマイク近くで話すと、強い息があたったときにボフッとかバフッといったノイズが入ったことが、おわかりいただけるかと思います。
それでは実際に対策をしてみると、どんな結果になるのでしょうか?
それぞれの対策についての説明と、対策をした場合の音声サンプルもつけてみましたので、お聴きください。
対策1:ポップガードをマイク前面に取り付ける
ポップガードは、マイクと口元との間に設置する金属製もしくは布製のフィルターです。
よく歌手や声優の方が収録するときに、マイクの前に円形の板が設置されていたりしますよね。
私の記事でも、以前HyperX公式のポップガードをご紹介しました。
こちらの製品は、SoloCastの上位機種であるQuadCastやQuadCast S に簡単に設置できる製品ではありますが、SoloCastでもマイクスタンド部分につけることができました。
装着してみた形がこちらです。
SoloCastに適合したタイプではないので、ちょっと邪魔に感じる部分もあるかもしれません。
ただ、円柱型のマイクに合わせたような形状なので、フィット感はありました。
実際に装着してみた場合の音声はこちらです。
完全にノイズを消せたわけではありませんが、対策がない場合よりもノイズが小さくなったり、減っている感じがします。
また、音声が籠もったり変化してしまうことも、ほぼ無いように感じます。
音声を変化させずにポップノイズ対策ができるという点が、ポップガードを使用する最大のメリットと言えます。
メリット:
・音声の聴こえ方に変化を出さずに、ポップノイズを減少させることができる
デメリット:
・装着できる条件に制限がある
・部品が多くなるため見た目がゴチャッとすることがある
・購入にお金がかかる
対策2:外付けのウインドスクリーンをグリルにかぶせる
マイクのグリル(網目状の金属部)にウインドスクリーンを被せることも、ポップノイズ対策として有名な手段の1つです。
ウインド(風)のスクリーンというだけあって、もともと屋外でマイクに風が強くあたらないようにする目的で使用するものですから、息に対しても効果を発揮することができます。
今回調べたところ、海外製でSoloCast対応という製品があったので購入してみました。
SUNMONという会社の製品だそうで、確かにSoloCastにピッタリフィットします。
また、SoloCastのマイク上部のミュートボタンを触れられるように、穴も空けられていました。
SoloCastはマイクグリルの頂上部にミュートボタンがあるため、単純に被せるだけのウインドスクリーンだとミュートボタンが機能しなくなることがあります。
最初から穴が空けてくれてあるのは親切だと思いました。
実際に装着してみた状態での音声はこちらです。
スポンジの厚みが少ないこともあり、ノイズの量としては劇的な変化はありませんでしたが、対策がない場合に比べると確実にマイクにツバが当たったりという汚れの面の対策にはなると感じました。
ただ、こちらの商品には注意点が1つ。
ミュートボタン部分を触れられるように空けられた穴が小さいため、指とスポンジ部分がこすれるような音が入ってしまうことがあります。
実際にミュートボタンのタップのテストした音声がこちら。
ザラっとした音が入るのが、おわかりいただけるかと思います。
対策として、穴のところを切って大きめにするという方法があります。
ただし一枚しか入っていないため、失敗できないというところはご注意ください。
メリット:
・グリルにかぶせるだけなので、装着がとても簡単
・交換が必要になった場合も手間が一番少ない
デメリット:
・製品によるがSoloCastに合う大きさのものを見つけるのが大変
・スポンジが薄いとポップノイズを防ぐ能力がどうしても低くなる
・(今回使用した製品の場合)海外製で到着まで時間がかかる場合がある
対策3:ウインドスクリーンをグリルの内側に付ける
続いての対策は、ウインドスクリーンをグリルの内側に入れる方法です。
HyperXシリーズのマイクで上位機種(ポップフィルター内蔵となっているもの)も、実際にはグリル内部にスポンジ状のウインドスクリーンが入れてある構造なので、それを再現してみようという試みです。
※この方法については、マイクを分解してグリル内部にウインドスクリーンを入れる必要があります。
分解は無理矢理行わないように注意が必要ですし、万が一故障した場合にはメーカーの保証で修理はしてもらえませんので、実施される方は自己責任で行ってください。
また、当サイトは分解を推奨するわけではありませんので、その点はご承知おきください。
使用するウインドスクリーンは、GONKISSという会社のウインドスクリーンを使用しました。
日本の会社であることと、SoloCastのグリルにちょうど収まるサイズのものであることの2点を満たしたので使ってみました。
ちなみにマイクを分解するにあたっては、先端の細いドライバーも必要になります。
4個入りでお得感があるのと、スポンジの厚みが先ほどのSUNMON製の外に被せるものと全然違います。
今回はマイク内部のケーブルを引っ張らないように、スポンジに切り込みを入れて装着しました。
スポンジの上部ですが、マイクのミュート部分に繋がるケーブルがありますので、こちらも百円玉サイズに円形に切り抜いてグリル内部に入れていきます。
グリルの底の部分には、丸形の穴と楕円形の穴があります。
丸型の穴のほうがマイク後方になるので、スポンジの切り込みを入れた部分が丸形の穴のほうにくるように入れていくと、ポップノイズ対策の効果が上げられます。
グリル内にスポンジを入れるときには、くれぐれもケーブルを強く引っ張らないように注意してください。
ケーブルが外れてしまうと、ミュートボタンが利かなくなってしまいます。
スポンジが入ったら、ネジを締めて各パーツを戻していきます。
実際に装着した状態の音声サンプルはこちら。
スポンジの厚みがあるためか、先ほどの外付けのものよりもノイズを減らすことができているように感じました。
ただ、声の聴こえ方もすこしマイルドになるというか、声質に若干変化があるようにも感じます。
これを声が籠もって聴こえる…という場合もあるかもしれません。
個人的には、金属に響くような音も減った気がしてちょうどよい変化だと感じましたが、皆さんはいかがでしょうか。
内側に入れるため見た目はスッキリしていますし、ノイズ対策も少し効果があるように感じますが、声の聴こえ方の変化については好みが別れるところかもしれません。
メリット:
・内側に装着するので見た目がスッキリしている
・スポンジの厚みがあるものを装着できると、ノイズに対する効果が高くなる
(外に被せるタイプで同じように厚みのあるものは、なかなかみつかりません)
デメリット:
・装着するための手間が一番かかる
・分解によるトラブルは自己責任になる
おまけ:ポップガードとウインドスクリーン内蔵、両方試してみた
最後に、ポップガード装着とグリル内にウインドスクリーンを取り付ける方法を両方セットして試してみました。
全部乗せみたいな、豪華な対処法です。
音声サンプルがこちら。
収録していたときにも実際に感じましたが、一番ノイズが入らなくて、音声の波形もキレイでした。
ウインドスクリーン内蔵方法なので、声の聴こえ方は若干マイルドになっていますが、マイクの集音部保護としては十分な対策といえるのではないでしょうか。
予算など十分に余裕のある方でしたら、このポップガード+ウインドスクリーン装着が一番効果があるかもしれません。
ただし、装着の手間もかかるうえに、予算的には上位機種(DuoCast)の購入額に近くなってしまうという面もあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
SoloCastは構造がシンプルだからこそ安価で購入できることが強みですが、マイクのノイズ対策をすることでさらによい音声でお使いになれるのではと思っています。
今回は室内で使用することを前提に、話し中のポップノイズ対策としてお届けしましたが、
・声質の変化をさせたくない場合には、ポップガード(できれば金属製のもの)を使う
・多少声質の変化があっても、より安価に対策できることを目指すならウインドスクリーンをつける
という判断基準で、対策をお選びいただくのもよいかと思います。
個人的な意見としては、内蔵させる方法が見た目もスッキリしていますし、ある程度のノイズ対策もできたように思っています。今回購入したものは4個入りでしたので、1つ失敗してもやり直しもできました。
余った分は、今後内部のスポンジが傷んだときの交換用としても使えます。
ただ、内蔵させるためには装着にあたっての手間が多かったので、その点は注意です。分解して内蔵する点についても、自己責任でおこなってください。自分で分解して故障した場合は、メーカーの保証も受けられないと思います。
今回購入した商品へのリンクを以下に貼っておきますので、ご興味がある方はぜひご検討ください。
お手元のSoloCastのノイズ対策に少しでもお役に立てたら、とても嬉しいです。
※SUNMON製のウインドスクリーンは海外製らしく、到着まで少し時間がかかりました。ご購入の際にはご注意ください。