【まとめ】MOTU M4とFocusrite Scarlett 2i2 、大人気オーディオインターフェイス徹底比較!

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目次

初めてだからこそ選びたい、この1台

これまで当ブログでは、「USB接続ですぐ使えるマイク」を主なテーマとして、初心者の方が選んでも後悔のない製品をご紹介したいと執筆してきました。

そんな初心者マークから一歩進んで、XLR接続できるマイクも選択肢に入れたくなった時に必須になる機材…それがオーディオインターフェイス(以下:AIFです。

AIFは、XLR接続するタイプのマイクをパソコンやスマホなどに繋いで使うには絶対に必要な、まさに心臓部と言える機材です。
それはUSB接続できるマイクといえど例外ではありません。USB接続で使えるタイプのマイクというのは、実際にはAIFを小型化してマイクに内蔵したマイクなのです。

でも、いざAIFについて調べてみると、あまりにも数が多く、さらにはその価格の幅に驚くことでしょう。
数千円の低価格品から数十万円…中には100万円を超えるような超高級のものまであり、何を選べばいいか本当に迷ってしまいますよね。

またネット上の機材レビューの多くは、「ギターの音が…」「DTMでのミックスが…」といった音楽制作者向けの視点で書かれています。
でも当ブログの読者様が知りたいのは、「私の『声』をいかに綺麗に、正確に、そして簡単に相手に届けることができるか」という点だと思います。

・ポッドキャストでラジオ局のような深みのある声を録りたい
・YouTubeのライブ配信で、大声で笑っても音割れしない環境を作りたい
・ナレーションやASMRで、ノイズの少ないクリーンな音がほしい
・オンライン会議で「声が聞き取りやすい」と信頼される音質を手に入れたい

そんな「声を大切にしたい方」のために、専門用語をなるべく噛み砕いて、「音声・トーク・配信」といった部分を重視して、徹底解剖していきます。

私もAIFについて調べるのにたくさんの時間がかかり、実際に購入して初めて知ったことがいくつもありました。
安くない勉強代でしたが、だからこそステップアップを目指す方にオススメしたいAIFを2つに絞り込みました。
それが、「MOTU M4」と「Focusrite Scarlett 2i2 (Gen4)」です!

どちらのモデルも、数あるAIFの中で常にランキングの上位を争い、世界レベルで大きな支持を得ている製品です。
そしてどちらも3万〜4万円台という手の届きやすい価格帯でありながら、一昔前なら数十万円するクラスのプロ機材に匹敵する性能を誇っています。

今回は両メーカーの公式サイトから最新仕様を徹底的に読み解き、音質、機能性、操作性、付属ソフトウェア、そしてどんな人にどちらが向いているのかを解説していきます!

この記事を読むことで、あなたの環境にベストマッチする1台が見つかりますように。

1. オーディオインターフェイスの重要性

比較に入る前に、AIFがなぜ重要なのかについて改めてご説明をしていきます。
AIF選びの参考にもなると思うので、ぜひお読みください。

AIFが「作品の質」を決める

まず前提として、PCやスマホなどに最初から内蔵されている部品だけでは、マイクや楽器の微細なニュアンスや倍音などを正確に録音することはできません
また、モニター用のスピーカーやヘッドホンに高音質な音声を出力することもできません

AIFは、アナログの音をデジタルのデータに変換(Analog→Digital変換を略して「AD変換」)し、PC内のデジタルデータをアナログの音として出力(Digital→Analog変換を略して「DA変換」)する、いわば「音の翻訳家」です。
この翻訳の精度が高ければ高いほど、クリアで解像度の高い音楽制作や音声配信が可能になります。

マイクのポテンシャルを100%引き出すためにも必要

先ほどの話をより具体的に説明すると、次のようになります。
まず、マイクが拾った「声」はアナログの電気信号です。
これをパソコンやスマートフォンに「デジタルの音声データ」として送るための翻訳機がAIFです。
この記事のはじめに、USB接続のマイクは小型化したAIFが内蔵されているという話をしましたが、限られたスペースに収めるためにはある程度の限界があります。
だからこそ専用機であるAIFを通すことで、翻訳の精度(音の解像度やノイズの少なさ)のさらなる向上が期待できるのです。

「声の聞き取りやすさ」はマイクプリアンプで決まる

マイクが拾う電気信号は極めて微弱です。AIFにはそれをパソコンで扱える音量まで「増幅」する役割もあります。その役割を担うのが、内蔵されている「マイクプリアンプ」です。
優秀なマイクプリアンプは、ノイズを乗せずに声の成分だけをクリアに持ち上げてくれます。今回比較するMOTU M4とScarlett 2i2は、どちらもこのプリアンプの質が数万円台の常識を覆すレベルで優秀なため、世界中で人気になっているのです。

※忘れがちですが、ほとんどのAIFには音声ミュート(消音)機能がありません

これは、私がAIFを購入してから実感した最大のデメリット部分になります。

当ブログではUSB接続タイプのマイクをオススメしてきましたので、そのすべてで音声ミュートがボタン1つで出来る設計になっていました。

ですがXLR接続で使用する場合には、マイクについている音声ミュートボタンは基本的に使えなくなります。

その場合、AIFの本体にミュートボタンがあればいいのですが、ほとんどのAIF機器で音声ミュートのスイッチやボタンはついていませんでした。
中にはそうした機能が付いている物もありますが、数としては確実に少ないです。

ゲイン(音量)を調整するツマミなどがついていますが、これらは最小にしてもクシャミなど大きな音は拾ってしまうことがあるため、完全に消音することはできません。

AIFを使用する際にはこうした点について、事前に把握しておくとよいかと思います。

2. MOTU M4:基本概要と性能

ここからは「MOTU M4」の性能と魅力に迫ります。
はじめに製品仕様の特徴的な部分を記載しますが、専門用語だらけなので「こういう項目が特徴あるんだなー」くらいに思っていただければ十分です。
特にピックアップしたい項目については、そのあとさらに解説をしていきますね。

MOTU(モツ)について

MOTU(Mark of the Unicorn)は、1980年代からプロオーディオ界を牽引してきたアメリカの老舗ブランドです。
ハリウッド映画の劇伴制作や、世界規模のメガツアーなど、一切の妥協が許されないプロの現場でMOTUのハイエンド機材が使われ続けてきました。

そんなアメリカの実力派プロ機材メーカーが、「プロの音をデスクトップへ」というコンセプトのもと、価格破壊とも言えるスペックで市場に投入したのが「Mシリーズ(M2 / M4)」です。

MOTU M4の主な特徴と仕様

  • DACチップ:ESS Technology社製 Sabre32 Ultra™ DAC
  • ダイナミックレンジ:120 dB(メイン出力)
  • マイクプリアンプEIN(入力換算雑音):-129 dBu
  • レイテンシー:2.5 ms ラウンドトリップ(96kHz / 32サンプルバッファ時)
  • ディスプレイ:フルカラーLCDレベルメーター
  • 接続:USB Type-C(バスパワー駆動)
  • MIDI端子:MIDI IN / OUT搭載
  • ループバック機能:対応

最大の武器は「ESS Sabre32 Ultra DAC」の搭載

MOTU M4を語る上で絶対に外せないのが、「出力(AIFからヘッドホンやスピーカーへの音)」の美しさに関わるDAC(Digital to Analog Converterを略してDAC)チップです。
M4には、数十万円クラスのハイエンドAIFや、高級ピュアオーディオ機器にしか搭載されない「ESS Technology社製 Sabre32 Ultra™ DAC」という部品が採用されています。

これにより、出力のダイナミックレンジ(一番小さな音から大きな音までの幅)が120dB(デシベル)というとても優秀な数値を叩き出しています。
これは音源を再生したときに、ノイズが少なく、音の奥行きや楽器が鳴っている場所がハッキリとイメージできることを意味します。
「音楽を聴くのが楽しくなる」と評されるほど、MOTU M4 はリスニング用途としても非常に優秀です。

音声配信中に自分の声をヘッドホン経由で聴きながら話す場合などで、M4を通した自分の声は変に低音や高音が変化せず、極めて忠実でクリアに聴くことができます。
自分の声のトーンを客観的に、そして正確に把握しながらトークを展開できるのは、配信者にとって価値あるアドバンテージになります。

クリアな音声で増幅してくれるマイクプリアンプ

音声配信、特に落ち着いたトーンのポッドキャストや、ナレーション、ASMRの収録において最も厄介なのが、マイクのゲイン(音量)を上げた時に鳴る「サーッ」というホワイトノイズです。

MOTU M4のマイクプリアンプは、EIN(入力換算雑音)という数値が「-129 dBu」という驚異的な数値を誇ります。これは簡単に言うと「極限までノイズが少ない」ということです。
部屋の環境さえ静かであれば、感度の良いコンデンサーマイクを繋いでゲインを上げても、ノイズが抑えられた静かな状態が保たれます。
声の微細なニュアンス、息遣い、リップノイズまでも、一切の脚色なく「ありのまま」で拾ってくれます。

また、ゲインも最大60dBまで増幅してくれるため、SM7Bのような元の音量が非常に小さいマイクでも、しっかりと音量を上げることができます。

フルカラーLCDメーターによる圧倒的な視認性

前面パネルには、この価格帯では極めて珍しい「160 x 120ピクセルのフルカラーLCDメーター」が搭載されています。
M4のLCDメーターは入力・出力レベルを視覚的に細かく、リアルタイムに確認できるため、適正な録音レベルのセッティングが圧倒的にやりやすくなっています。

自分の声が現在どのくらいの音量で入力されているか、大きすぎて音割れしそうになっていないかが、一目で直感的に分かる安心感は、トークへの集中力に直結します。

3. Focusrite Scarlett 2i2 (Gen 4):基本概要と性能

続いて、赤いアルミボディが象徴的な「Focusrite Scarlett 2i2 (4th Gen)」の性能を見ていきましょう。

Focusrite(フォーカスライト)について

Focusriteは、伝説的なコンソール設計者ルパート・ニーヴ氏が設立に関わったイギリスの名門ブランドで、伝統あるトップセラーメーカーです。

特にマイクプリアンプ(マイクの音を増幅する回路)の品質には定評があり、その技術を惜しみなく投入した「Scarlett(スカーレット)」シリーズは、世界で最も売れているAIFとして有名です。

最新の第4世代(Gen 4)では、フラッグシップモデル譲りのコンバーターと現代的なスマート機能を搭載し、劇的な進化を遂げました。

Scarlett 2i2 (Gen 4)の主な特徴と仕様

  • コンバーター:RedNet(フラッグシップ機)と同等のコンバーターを採用
  • ダイナミックレンジ:120 dB(AD変換)、130 dB(DA変換・A-Weighted)
  • マイクプリアンプゲイン:最大69 dB
  • マイクプリアンプEIN:-127 dBu
  • サウンドキャラクター:Airモード(Presence / Harmonic Driveの2種類)
  • スマート機能:Auto Gain(オートゲイン)、Clip Safe(クリップセーフ)
  • 接続:USB Type-C(バスパワー駆動、別売で外部電源供給も可能)
  • ループバック機能:対応

RedNetコンバーターの搭載

第4世代となったScarlett 2i2は、中身が完全に別物へと進化しました。まず、Focusriteの数十万クラスのハイエンド機「RedNet」シリーズと同等のコンバーターを搭載。
出力のダイナミックレンジはなんと130dBで、MOTU M4を超えています。
幅広い音をノイズ少なく再生できる、非常に優秀な機器です。

SM7Bクラスのダイナミックマイクも余裕で鳴らす「69dBの超高ゲイン」

音声配信では、環境ノイズを拾いにくい「Shure SM7B」などのダイナミックマイクが大人気です。
しかしこれらのマイクには「出力が小さく、音量を稼ぐのが難しい」という弱点があり、安価なAIFだと音量が全然足りず、別売りのプリアンプを追加で買う必要がありました。
SM7Bにオススメと言われるプリアンプの場合、2万円程度することも…。

第4世代のScarlett 2i2は、プリアンプのゲインが最大「69dB」まで引き上げられました。
これによりSM7Bのようなマイクでも、追加機材なしで直挿しで十分な音量を稼ぐことができるようになりました。
機材周りをスッキリさせたい方や、出費を抑えたい方には最高の進化です。

次世代の録音をサポートする「Auto Gain」と「Clip Safe」

Scarlett 2i2最大の特徴は、「Auto Gain」や「Clip Safe」などのスマート録音機能です。

Auto Gainは、AIF前面にあるボタンを押して数秒間マイクに向かって歌ったり楽器を弾いたりするだけで、インターフェイスが自動的に最適なレベルを設定してくれます。
「ゲインツマミをどこまで回せばいいか分からない」という初心者の方の悩みを一発で解決してくれる、心強い機能といえるでしょう。

Clip Safe機能をオンにしておけば、録音中に突然大きな声を出してしまっても、内蔵のDSP(デジタル信号処理)が音割れの危険を察知し、自動的にゲインを下げてバリバリッっという音割れを防いでくれます。
ライブ配信などリアルタイムで他者と通話する人にとって、こちらも安心な機能になります。

各機器の比較は以上です。
ここまで特徴となる部分をピックアップしてみましたが、この先でさらに両機を徹底比較してみようと思います。
あなたがAIFに求める機能は、どちらがよりヒットしていくでしょうか?

4. 【徹底比較 1】音質とコンバーター(AD/DA)対決

オーディオインターフェイスの心臓部である音質。両者のアプローチは大きく異なります。

再生品質(DA変換)の比較

  • MOTU M4(ESS Sabre32)
    非常にクリアで色付けがなく、解像度が極めて高いサウンドです。高域から低域までフラットに出力されるため、「音の分離感」を正確に把握するのに最適です。高級オーディオDACとしての側面も強く、日常での音楽再生などリスニングの満足感も絶大です。

  • Scarlett 2i2(RedNet譲り)
    第4世代になり、音の解像度が劇的に向上しました。性能表上のDAダイナミックレンジは130dBと、M2の数値(120dB)を上回っています。Focusriteらしい、音楽的でパンチのある中低域と、煌びやかな高域が特徴。聴いていて気持ちの良いサウンドに仕上がっています。

【まとめると…】

・原音に忠実な音を求める派、またはPCオーディオとしてのピュアな高音質を求めるならMOTU M4
・最新スペックの恩恵を受けつつ、音楽的な心地よさを求めるならScarlett 2i2

5. 【徹底比較 2】マイクプリアンプと入力部のキャラクター対決

マイクプリアンプは、音量や雑音の入りにくさに関係する部分で重要な項目になります。
また、音声に補正をかける機能面についても、あわせて比較していきます。

マイクプリアンプ&入力部の比較

  • MOTU M4:限りなく透明でノイズレス

M4のマイクプリアンプ(EIN-129 dBu/ ゲイン60dB)
極限までノイズが少ないことを意味していて、ゲインを思い切り上げても「サーッ」というホワイトノイズが乗りにくく、マイクが拾った音を「一切の色付けなく、ありのままに」PCへ送り込みます。
後からプラグインでエフェクトをかけたり、音を作り込んだりするスタイルに非常に適しています。

  • Scarlett 2i2:名機を再現する「Airモード」

Scarlettのマイクプリアンプ(EIN -127 dBu / ゲイン69dB)
単に高音質なだけでなく「音作り」の機能を持っている「Air(エアー)モード」を搭載しています。第4世代ではこれが以下の2段階になりました。

  1. Presence(プレゼンス):Focusriteの伝説的なスタジオコンソール「ISA」のサウンドをシミュレートし、高音域にキラッとした空気感を付加します。モコモコした声がパッと明るく聞き取りやすくなります。
  2. Harmonic Drive(ハーモニックドライブ):中音域の倍音を豊かにし、音に太さとパンチを与えます。説得力のある堂々とした声質にしたいときに便利です。

両者の音量を比較した音声サンプルを掲載します。
SM7dBをXLRケーブルでそれぞれM2とScarlett2i2に接続し、AIFのゲインを最大にした状態での音量比較です。
参考にしていただければ幸いです。

【まとめると…】

・ナレーションや声優のオーディション用ボイスサンプルなど、「後からソフトで声質を加工する」「素の声を求められる」用途など、「素の音をそのまま脚色なく使いたい」ならMOTU M4

・OBSでのライブ配信など、複雑な音声加工ソフトを挟まずに、「機材の力だけで完成形に近い良い声を作りたい」「ゲインが必要なマイクを追加機材なしに使いたい」ならScarlett 2i2

6. 【徹底比較 3】操作性・メーター・次世代スマート機能対決

日々の使い勝手を左右する操作系にも、両社の思想の違いがハッキリと表れています。

メーター視認性:MOTU M4が便利

フロントパネルに搭載されたフルカラーLCDメーターは、MOTU M4の最大の魅力の一つです。入力レベルと出力レベルが精密なバーメーターで表示されるため、各種編集ソフトの画面を見なくても、手元で感覚的に確認が可能です。プロのスタジオ機材を操作しているような所有欲も満たしてくれます。

一方のScarlett 2i2の入力レベル確認は、ツマミの周りが光る「ゲインハロインジケーター」で行います。
緑(適正)→黄色(注意)→赤(クリップ)と光るため直感的ですが、M2ほどの精密さはありません。

スマート機能とアプリ制御:Scarlett 2i2が便利

Scarlettには「Auto Gain」と「Clip Safe」があります。メーターを見ながらゲインツマミを微調整する作業自体を、機械が全自動でやってくれる便利さでM4より圧倒的に楽です。
さらに、パソコンでアプリ「Focusrite Control 2」を使えば、画面上からプリアンプのゲイン調整やAirモードのON/OFFがリモート操作できます。
機材をデスクの奥に置いたままでも操作できることは、Scarlettの大きな強みです。

【まとめると…】

・視認性の良さやリアルタイムの適正な音量環境を把握したいならMOTU M4
・自動調整機能やアプリの便利さを求めるならScarlett 2i2

7. 【徹底比較 4】入出力(I/O)とハードウェア設計

レイアウトや接続性も、実際の使い勝手に直結します。

インターフェイスのレイアウト

  • MOTU M4
    前面にXLR/TRSコンボジャック(XLRケーブルの差込口)が2つ並んでいます。マイクもギターも前面から挿せるため、頻繁にケーブルを抜き差しする人にとっては非常に便利です。
    背面の出力端子は、モニタースピーカー用のTRS(バランス)に加え、RCA(アンバランス)端子も搭載。DJミキサーや家庭用オーディオアンプへの接続も変換ケーブルなしで行えます。
    MIDI IN/OUT端子も備わっており、古いシンセサイザーなどを繋ぎたい方には必須級の装備です。

  • Scarlett 2i2
    マイク用のXLR入力は背面に2つ配置される設計に変更されました。マイクを常に繋ぎっぱなしにしておく人にとっては、ケーブルが裏に隠れてデスク周りがスッキリするというメリットがあります。
    前面にはギターやベースを直接挿すためのHi-Z対応ライン/インストゥルメント入力(1/4インチ標準ジャック)が2つ。
    MIDI端子は非搭載です。

【まとめると…】

・マイクケーブルをたびたび抜き差しする可能性がある人や、幅広い楽器を繋ぐ可能性もある人はMOTU M4
・マイクは一度差し込んだら繋いだままでデスク上をスッキリさせたい人にはScarlett 2i2

ヘッドホン出力のパワー

どちらも非常に高品位なヘッドホンアンプを搭載しています。

  • MOTU M4
    ESSの恩恵を受け、300Ωや470Ωといったプロ用モニターヘッドホンでも余裕で駆動するパワーと明瞭さを持ちます。
  • Scarlett 2i2
    第4世代向けにカスタム設計されたヘッドホンアンプを搭載。300Ω時で115dBのダイナミックレンジを誇り、これまでのScarlettシリーズで最も大きくクリアな再生を実現しています。

【まとめると…】

ヘッドホンはどちらも甲乙つけがたい高品位な製品です。

8. 【徹底比較 5】付属ソフトウェア(バンドル)対決

オーディオインターフェイスを買うと、音楽制作に必要なソフト(DAW)や音源が「おまけ」で付いてきますが、このおまけのレベルが尋常ではありません。
音楽制作にも興味がある方は、お読みになってみてください。

MOTU M4:充実のループ素材とオリジナルDAW

  • DAW:MOTU Performer Lite、Ableton Live Lite
  • 音源・素材:Big Fish Audio、Loopmastersなどのトッププロバイダーによる6GBのループ・サンプルパック、100種類以上のバーチャルインストゥルメント。MOTUが開発するプロ用DAW「Digital Performer」の弟分である「Performer Lite」が付属します。
    動作が軽く、MIDIエディットがしやすいため、これから作曲を始める人には十分すぎる機能を持っています。
    また、6GBものループ素材が最初から手に入るので、ドラッグ&ドロップでDJのようにトラックメイキングを楽しむことができます。

Scarlett 2i2:超豪華「Hitmaker Expansion」

  • DAW:Pro Tools Intro、Ableton Live Lite、Cubase LE
  • Hitmaker Expansion(特大プラグインバンドル)
    • ボーカル:Celemony Melodyne Essential(業界標準のピッチ補正ソフト)、Sonnox VoxDoubler
    • ギター:SoftubeのMarshallアンプシミュレーター
    • ドラム:XLN Audio Addictive Drums 2: Studio Rock Kit(プロ御用達の高音質ドラム音源)
    • シンセ・鍵盤:Native Instruments MASSIVE(超有名シンセ)、XLN Audio Addictive Keys
    • ミックス・マスタリング:Relab LX480(リバーブ)、Focusrite Redプラグインスイート、FAST Balancerなど付属ソフトの「市場価値」だけで言えば、Scarlett 2i2の圧倒的勝利です。
      特に、ピッチ補正のMelodyneや、本格的なドラム音源であるAddictive Drums 2、超定番シンセのMASSIVEが無料で手に入るのは驚異的と言わざるを得ません。
      「買ったその日から、プロと同じツールで曲作りができる」という点ではScarlettのバンドルは業界最強クラスです。

9. 実践編:用途別シミュレーション

スペックの羅列だけでは実感が湧かないと思いますので、実際の使用シーンを想定してシミュレーションしてみましょう。

ケース1:コンデンサーマイクを使った「ナレーション・ASMR・声優収録」

結論: MOTU M4 がおすすめ

「自分の声を素材として納品する」ようなプロフェッショナルな用途や、ASMRのように極端にノイズを嫌う収録には、MOTU M4の出番です。
EIN -129dBuという圧倒的なノイズレス環境と、一切の色付けを行わない極めてフラットな録音品質は、納品先のクライアントや音声エンジニアから「非常に扱いやすい綺麗なデータだ」と評価されるはずです。
手元のLCDメーターで、突発的なノイズなどのピークを視覚的に管理できる点も高評価です。

ケース2:音質で信頼を勝ち取る「リモートワーカー・オンライン講師」

結論:使い勝手の好みで分かれるが、MOTU M4 がややおすすめ

ZoomやTeamsを使った重要な商談、ウェビナーの講師など、「声の明瞭さ=ビジネスの信頼感」に直結する方々です。

どちらを選んでも確実に音質は向上しますが、M4の「原音への忠実さ」は、オンライン越しでもあなたの「本来の声色と人柄」をまっすぐに伝えてくれると思います。
また、M4は接続が非常にシンプルで、専用のルーティングソフトを開かずとも直感的に扱えるため、PC作業にそれほど詳しくない人でもトラブルなく導入しやすいというメリットがあります。

一方で、マイクを繋ぎっぱなしにしてデスクを綺麗に見せたい(ケーブルを後ろに隠したい)場合は、背面に端子があるScarlett 2i2を選ぶのも賢い選択です。

ケース3:リアクションが命の「ゲーム実況・YouTubeライブ配信者」

結論:絶対に Focusrite Scarlett 2i2 (Gen 4) がおすすめ

配信中に叫ぶ、大笑いする、ホラーゲームで悲鳴を上げる…のように、声の音量差(ダイナミクス)が激しい配信者にとって、音割れはリスナー離れを引き起こす最大の敵です。
Scarlettの「Clip Safe」機能は、そうした叫び声を一瞬で安全な音量に抑え込んでくれます。OBSのメーターを気にしてリアクションを躊躇う必要も減ることから、実況などでは優秀なパートナーといえます。

この点では、MOTU M4 は自動調整機能が非搭載なため、Scarlett 2i2の圧勝と言えるかもしれません。

ケース4:「Shure SM7B」を使って本格的なポッドキャストを始めたい

結論: Focusrite Scarlett 2i2 (Gen 4) がおすすめ

ポッドキャストの王道マイクであるSM7Bや、RØDEのPodMicなどを導入予定なら、Scarlettの69dBという高ゲインプリアンプがとても役立ちます。余計な増幅機材を買う必要がなく、デスクがスッキリします。
さらにAirモードの「Harmonic Drive」をオンにして話せば、低音の効いた海外の有名ポッドキャスターのような、リスナーの耳に心地よく響く「ラジオボイス」が瞬時に完成します。

MOTU M4 もマイクゲインのレベルでは決して不足はありませんが、余力があるという点において、Scarlett 2i2が有利です。

こちらにも音声サンプルを掲載します。
(※マイクプリアンプ&入力部の比較の項目と同じ音声サンプルです)
SM7Bの後継機であるSM7dBを、マイク側内蔵のプリアンプを使用せずにSM7Bと同等の状態でAIFにつないだ音声比較を掲載しています。
どちらもゲイン最大で接続していますので、音量の違いを実感していただければ嬉しいです。

ケース5:ボーカル録音(歌ってみた・ボカロP)

結論:引き分け(ご自身の求めるものによる)

「歌ってみた」を録音する場合、コンデンサーマイクを使った繊細な録音が求められます。

MOTU M4を使用すると、非常に生々しく、息遣いまでクリアに録音できます。録った後のミックスで、自分の好きなEQやコンプレッサーをかけて理想の音に仕上げていく楽しさがあります。

一方、Scarlett 2i2を使用し、Airモード(Presence)をオンにして録音すると、録った瞬間に「すでにミックスされているような、高域がスッキリ抜けたプロっぽい声」に調整してくれます。さらにAuto GainとClip Safeのおかげで、サビで熱唱しても音割れしない安心感は、ボーカリストにとって確実なメリットです。

おまけ:エレキギター / ベースの宅録

ギターなどの楽器を直接インターフェイスに挿して(Hi-Z入力)、PC内のアンプシミュレーターを鳴らす場合。

MOTU M4は2.5msという超低レイテンシー(遅延)が強みです。
弦を弾いてからヘッドホンから音が出るまでの遅れがほぼゼロに近い感覚で、速弾きやカッティングも違和感なくプレイできます。

Scarlett 2i2も十分な低レイテンシーを誇りますが、付属ソフトの「Softubeアンプシミュレーター」が最初から使えるため、すぐに極上のディストーションサウンドを楽しむことができます。

10. 【結論】MOTU M4を買うべき人、Scarlett 2i2を買うべき人

両者を徹底解剖してきましたが、いよいよ結論です。

どちらも非常に優秀なAIFと言って間違いありませんが、あなたの目的によって選ぶべき1台は明確に分かれます。

▼ MOTU M4 が強くオススメな人

  • 「とにかく再生音質・モニター音質」にこだわりたい人(音楽鑑賞用としても極上のサウンドを求めている)
  • ハードウェアの所有感を満たしたい人(フルカラーLCDメーターのカッコよさと実用性に惹かれる)
  • ピュアで色付けのないクリーンな録音をしたい人
  • ハードウェアシンセサイザーなどをMIDIで同期させたい人(MIDI端子が必須な人)
  • マイクや楽器のケーブルを頻繁に抜き差しするため、入力端子が前面にあったほうが良い人

MOTU M4は、プロスタジオの基準をそのまま小さくしたような機材です。
色付けを行わず、正確に音を出し、正確に音を入れる。職人のようなストイックさと、圧倒的な部品クオリティ(ESS DAC)に価値を感じるなら、M4がオススメになります。

▼ Focusrite Scarlett 2i2 (Gen 4) が強くオススメな人

  • 録音の失敗(音割れ)を確実に防ぎたいボーカリストや配信者(Clip Safe機能で自動調整)
  • ゲイン設定などの難しいことは機械に任せて、会話や演奏に集中したい人(Auto Gain機能で自動調整)
  • 録音した瞬間に「プロっぽい」艶のある音を出したい人(Airモードによる自動調整)
  • Shure SM7Bなどの高いゲインが必要なダイナミックマイクを使いたい人
  • 有料級のプラグイン(Melodyne、Addictive Drums 2など)をタダで手に入れて、すぐに本格的な曲作りを始めたいDTM初心者

Scarlett 2i2は、「クリエイターが音を作ること、パフォーマンスすること」にフォーカスした機材です。
細かい設定はスマート機能がやってくれて、Airモードで音をカッコよくしてくれて、さらに最強の作曲ツール一式をプレゼントしてくれる…。
初心者を様々な面で助けてくれる、至れり尽くせりのパッケージです。

いかがでしたか?
ここまでお読みいただいて、MOTU M4とFocusrite Scarlett 2i2、それぞれのスペック上の数字だけでは見えてこない違いが、少しでもお分かりいただけたかと思います。

「原音への忠実さと、ハードウェアとしての堅牢な美しさ」を追求したMOTU M4。

「クリエイターのひらめきを逃さず、スマートに結果へ導く」Focusrite Scarlett 2i2。

どちらを選んでも、優れた音声環境が手に入ります。

AIFを買い替える(あるいは初めて手に入れる)と、今まで聞こえなかった音の重なりが聞こえるようになったり、弾いたギターのニュアンスがダイレクトに録音できるようになったりして、話すことや音楽を作ること、聴くことのレベルアップにつながると思います。

もちろん、私の記事だけでは不足している情報もあることでしょう。
さらなる高級機材の場合は、私もまだ勉強不足なところがあります。

それでもこの記事が、あなたの背中を押すきっかけになれば、これ以上の喜びはありません。
ぜひご自身のスタイルに合ったAIFを手に入れて、素敵な声や音楽を、世に送り出してください!

以上、AIFの徹底比較レビューでした。

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この記事を書いた人

元理学療法士で、現在はセラピスト兼コーチングのコーチとして活動中。

お仕事の現場で関わった人や、パソコン周辺機器などで相談にのってきた方々、オンラインでの交流を通じて仲良くなった方など、
いくつもの人たちから「実際に使っている機器について詳しく教えてほしい」というお声をいただいて、このサイトが生まれました。
特に音声関係を中心に、お伝えしています。

皆さんの疑問やお悩みの解決に少しでも役立つように、整理してお届けしていきたいと思っています。

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