SoloCastの後継機、SoloCast2登場!
2025年9月5日に、HyperX SoloCastの後継機となる SoloCast2 が発売されました!

前身となるSoloCastは、搭載されるマイクの機能を必要最低限に絞り込むことで、高音質ながら1万円未満で購入できる入門用のマイクとして、HyperX 〇〇Castシリーズの中でも人気の製品でした。
その一方で、同シリーズの高機能モデルとなるQuadCast Sと比べた時には、マイクの機能だけでなく衝撃や雑音を軽減する機材まで省かれていることから、主にノイズ対策の面で問題を抱えやすいという弱点がありました。
今回の後継機となるSoloCast2では、そうしたユーザーからの声を反映して、高音質ながらショックマウントやポップフィルターがマイクに内蔵されています!
もう単に安いだけではない、エントリーモデルとしては最高峰のマイクの1つと言えると思います。
この記事では、SoloCast2の魅力を旧製品と徹底比較してみました。
SoloCast2の購入を迷っている方に少しでも参考になればと思っています。
それではご覧ください!
SoloCast2 vs SoloCast 基本性能一覧
さっそくですが、旧製品との比較を一覧表にしてまとめてみました。
次の表をご覧いただければ、新旧製品の違いが明確になると思います。
SoloCast2 ![]() | SoloCast ![]() | |||
---|---|---|---|---|
本体色 | 黒 | 黒、白 | ||
接続方式 | USB端子 (C→A)または(C→C) | USB端子 (C→A) | ||
ミュートボタン | 〇 | 〇 | ||
指向性切替 | ・カーディオイド | ・カーディオイド | ||
ポップフィルター | 〇(内蔵) | × | ||
マイク照明効果 | 赤のみ | 赤のみ | ||
マイクスタンド | 〇 | 〇 | ||
ショックマウント | 〇 | × | ||
ゲイン調整 | △(専用ソフト) | △(専用ソフト) | ||
ヘッドホン接続 | × | × | ||
マウントアダプタ | 全機種とも、3/8または5/8インチに対応 | |||
高さ | 約15.2cm | 約17.4cm | ||
重量 ※総重量はUSBケーブル込の数字 | マイク:330g 総重量:368g | マイク:261g 付属部:125g 総重量:429.9g |
ご覧のような結果となりました。
ポップフィルターやショックマウントの搭載が、今回の大きな変更点の1つと言えます。
一方でマイク自体の重量は増えているのに、総重量は旧製品のほうが重くなっています。
こうした違いはどこから生じるのでしょうか。
SoloCast2とSoloCastの違いについて、外観と機能の順に具体的に見ていきましょう。
SoloCast2・外観
購入時の箱のサイズは、思った以上にコンパクトでした。
500mlのペットボトルと近いくらいのサイズ感です。

中身のマイクはさらにコンパクトでした。
そして今回のSolocast2で外観における一番の変更点は、マイク本体とマイクスタンドが一体型になったことです。

背面はこちら↓

旧製品であるSoloCastと並べてみると、このような感じになります↓

一体型になったことで、旧製品のようにマイクスタンドから外すことはできなくなっています!

また、今回のマイクスタンドは約40°傾けることはできますが、旧製品のようにマイクスタンドにつけたまま真横に倒す等のアクションはできません。



このようにマイクの向け方については制限ができましたが、マイクの取り回しという点で真横に傾けて使う必要がある場面は限られると思います。
上位機種のQuadCastシリーズのマイクスタンドでは、横に傾けることはできません。
SoloCastのマイクの軽さがあるからこそ搭載されていた機能ですが、そもそもSoloCastはカーディオイド(マイク正面からの音の集音性能に特化した方式)であるため、横に傾けるメリット自体あまり大きくありません。
今回のマイクスタンド一体型への変化とは、そうした構造上の特徴も考えてのことのように思われます。
なお、マイクアームに接続して使用したい人の場合、旧製品ではマイク本体の底部にマイクアーム接続のためのネジ穴がありましたが、今回はマイク本体と一体になったマイクスタンド底部にネジ穴がつけられています。
マイクアームで運用する場合には、マイクスタンドと一体で使うことになる点にご注意ください。
SoloCastと同様に、ヘッドホン接続部はありません。
マイク音声をモニタリングする機能がないという点も、旧製品と同じです。
マイク内蔵ポップフィルター&ショックマウント
Solocast2には、外観からはよくわかりませんが、マイクに吹き付けるような息からマイクを保護するポップフィルターと、マイクに伝わる衝撃をやわらげるためのショックマウントの機構が、最初から取り付けられています。
しかもどちらもマイク内部に設置されているため、外観からはほとんどわかりません。
こうしたものは旧製品では取り付けられていなかったため、旧製品では振動音やパ行・バ行など息を吹き付けるような発生で生じる声のノイズが入りやすかったり、机に置いて使用する際の振動も拾いすぎてしまうなどの弱点がありました。
今回はこうした点の解決を試みているという点でも、旧製品からの大きな進化のポイントがみえてきます。
より使用者に寄り添った製品になっているところが、好印象ですね。
Solocast2・機能
ここからは、Solocast2の音質や各種機能について焦点をあてながら、旧製品であるSoloCastとの違いをさらに深掘りしてみたいと思います。
SoloCast2は、音声の質を評価する基準となるビットレートとサンプルレートについて、旧製品に比べて高い設定がされています。
SoloCast :16bit/48kHz
Solocast2 :24bit/96kHz
この設定を耳で聴き分けができるかどうかは、正直なところわかりません。
ただしより繊細に集音することが可能になったマイクだと言えます。
実際の音声サンプル比較
旧製品と新製品の聴こえ方について、比較してみました。
↓旧製品(SoloCast)
↓新製品(Solocast2)・ゲイン中間
↓新製品(Solocast2)・ゲイン最大 ※音量注意
いかがでしょうか?
聴こえ方に変化は感じましたか?
SoloCastはもともとが高音質なマイクなので、大きな違いは無いようにも感じられますが、個人的にはSolocast2になってからのほうがクリアなのに温かみのある音声のように感じました。
専用ソフト「NGENUITY」
Solocast2では、専用ソフト「HyperX NGENUITY」を使用することで、以下のような設定も可能です。
・ゲイン調整
・音声ミュート
・ハイパスフィルター(高音域のノイズをカットする)
・ローパスフィルター(低音域のノイズをカットする)
・AIノイズリダクション(AIにより自動でノイズをカットする)
・コンプレッサー(大きな音は抑えて、小さな音はハッキリ聴こえるよう調整)
・リミッター(設定した音量以上の音が入ってきた場合に、音が割れないよう抑える)
・イコライザ―設定登録(低音~高音まで各音域の調整ができ、それを登録できる)

一方で旧製品(SoloCast)では、
・ゲイン調整
・音声ミュート
のみが設定可能です。

明らかに設定できる項目が増えました!
特にノイズ対策系の設定が幅広く行える点や、イコライザーで細かな調整ができる点など、大幅な進化がみられるようになりました。
今回はこの中で、AIノイズリダクション(AIにより自動でリアルタイムにノイズを消去する機能)の比較をしてみました!
Solocast2のAIノイズリダクションOFF→ON→旧SoloCastの音声の順で音声サンプルを収録しました。
なお、Solocast2とSoloCastとでゲインは同じレベルになるよう、どちらも中間位(目盛りで50のところ)に設定して収録しています。
AIノイズリダクションの効果テスト
お聴きになってみていかがでしょうか?
正直なところ、Solocast2でのAIノイズリダクションのON・OFFでの差は、あまり感じられませんでした。
ただし旧製品の音声と比較した場合には、ノイズがやや抑えられているように感じます。
この点では、マイクの指向性(カーディオイドになっていて、側面の音を拾いにくくしている)の精度が少し高くなっているのかもしれません。
AIによりリアルタイムにノイズを除去してくれる機能としては、当ブログサイトでオススメしているSHUREのMV7+に搭載のものが、現時点では最も高性能であると感じています。
それと比べた場合には、Solocast2のAIノイズリダクションはまだ改良の余地があるといえるかもしれません。
ですがそれと同時に、入門機としてこれだけのことができるマイクはなかなか無いようにも思います。
そして何より、コンデンサーマイクならではのクリアで高音質な音声という点では、価格を考えるとかなりコストパフォーマンスの良いマイクと言えるのではないでしょうか。
まとめ
ここまでSolocast2の外観や機能について、説明をしてきました。
旧製品であるSoloCastに比べ、ノイズ対策を中心に機材とソフトウェア両面でアップグレードされたマイク。
それがSolocast2だと感じました。
旧製品では設定が行えなかったイコライザーや各種フィルター機能が使えるのに、価格は1万円未満という魅力。
コンデンサーマイクの入門機器をお探しの方は、ぜひとも一度ご検討ください!